ある専攻医の1週間
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月曜日
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午前
教授の外来に陪席した。
双極性障害の患者さんが来られて、気分は落ち込んでいるのに活動性は上がっており、気分と活動性がちぐはぐなことを苦しそうに訴えておられた。
これが混合状態なんだ!
バルプロ酸やオランザピンが効果的であることを教わった。 -
午後
教授回診前のカンファで、教授から、受け持ちのうつ病患者さんについて注意された。
なぜ、毎週ハミルトンの抑うつ状態評価尺度で評価しないのですか?継時的につけてはじめて治療反応性も見えますねと。
その通りです。
教授回診では、自分の患者さん以外の患者さんも診させていただける上に、変化もわかるので勉強になった。
火曜日
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午前
病棟で、受け持ちの患者さん数名を順番に診察した。天気が良かったので、中学生の患者さんとは、一緒にグラウンドを散歩しながら話をした。診察室で話をするよりも、ずっと自然に会話できることがわかった!
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午後
リエゾンの往診で、せん妄の患者さんを診察させてもらった。ベンゾジアゼピンが結構投与されていたので、減量するように指示を出した。
緩和ケアの往診では、ステージ4のすい臓がんの患者さんと話をさせてもらった。患者さんの気持ちに寄り添おうとしても、自分の言動がそうならないのが悔しい。
水曜日
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午前
関連病院へ外勤した。ここは、慢性の統合失調症の患者さんが多いので、入院されてから長期間経過しており、これまでのお話を聞くのに時間がかかる。なので、毎週少しずつ聞いている。
それぞれの患者さんにはそれぞれの人生があり、精一杯生きて来られたことに敬意を表しつつ、病気になったために悔しい思いをしたことや、自分なりに楽しみとして続けていることなどを、聞かせていただく。
急性期の幻聴や妄想は影を潜め、普通の会話ができることに驚く。もちろん、薬物療法の効果が出ていることもあるだろうが、その人なりに回復されているのではないだろうか。まだまだ長期入院の患者さんがいるので、グループホームなどが増えて早く退院できれば良いと心から思った。
木曜日
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午前
病棟で受け持っていた患者さんが退院した後に、外来を受診された。まだ1週間しか経過していないが、笑顔で来られて一安心。睡眠・覚醒リズム表もしっかり記入して持って来てくれた。この調子を維持してください!
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午後
リエゾンの往診で、ベンゾジアゼピンを減量したせん妄の患者さんはすっきりと良くなっていた。リエゾンカンファレンスで、そのことを評価してもらって嬉しかった!
医局会と抄読会があった。医局会ではコロナ対策についての話があり、抄読会では古い文献を紹介した先生が注意されていた。医学は日に日に進歩するもんな。
金曜日
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午前
新患の患者さんの診察を見学した。予診の先生が聴取した内容を本診の先生が丁寧に患者さんや家族に確認する作業が続く。紹介元の情報は大事だが、それにとらわれることなく、様々な可能性を考えることが必要であることがわかった!
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午後
デイケアのリワークに参加した。
電動ろくろが2台あり、復職前の患者さんが先生方の指導のもとに一生懸命ろくろを回して、湯呑みや茶碗を作っていた。復職前になると集中力もついてくるので、結構皆さん上手に作っているのに驚いた。
リワークで作成した湯呑みや茶碗は、苦しい中で頑張った証となるし、復職後のお守りになる!