大分大学医学部精神神経医学講座のあゆみ
大分大学医学部精神神経医学講座は、1981年4月に藤井薫教授と永山治男助教授が長崎大学から赴任し、「大分医科大学精神神経医学講座」として開設されました。
さらに1997年11月には永山治男助教授が第二代教授として就任しました。
2003年10月には旧大分大学と大分医科大学が統合し、「大分大学医学部脳・神経統御講座(精神神経医学)」として再出発しています。
そして2004年7月1日より、寺尾 岳(てらお たけし)が第三代教授に就任いたしました。2021年7月の時点で、既に17年が経過しようとしていますが、その間、医局の先生方、同門の先生方、大分県内の精神科の先生方など、さまざまな方々に支えられて、当講座を発展させることが出来ました。特に、別府医療センター精神科や大分県立病院精神医療センターは、それぞれ当科から派遣した児玉健介部長と塩月一平センター長が中心となって当科出身の精神科医で構成されており、当科とともに大分県の精神医療を支えています。
私の専門は、双極性障害の診断や治療と、リチウムです。毎週月曜に双極性外来を開いており、他県からの患者さんも受診されています。
見分けが難しいうつ病と双極Ⅱ型障害へのアプローチ
双極性障害は、誰が見てもはっきりわかる躁状態を示す双極Ⅰ型障害と、いつものその人と異なるが機能はそれほど障害されない軽躁状態を示す双極Ⅱ型障害に分類されます。
軽躁状態の時に受診する患者さんはほとんどおらず、患者さんの多くはうつ状態の時に来院されます。そのため、本来は双極Ⅱ型障害の患者さんを、医師がうつ病と誤診してしまうことが問題になっています。
当科では、双極Ⅱ型障害やうつ病を正しく診断するために、さらには双極Ⅱ型障害とうつ病の中間領域の疾患(双極スペクトラムと呼びます)を把握するために、さまざまな工夫を重ねています。
双極性障害の2つのタイプ
所属学会
International Society of Bipolar Disorders (member)、日本精神神経学会(代議員)、日本うつ病学会(理事)、日本病跡学会(理事)、日本臨床神経精神薬理学会(評議員)、日本神経精神薬理学会(評議員)、日本生物学的精神医学会(評議員)、日本精神科診断学会(評議員)
編集委員
Frontiers in Psychiatry: Psychological Therapy SectionのAssociate Editor、精神医学、臨床精神医学、臨床精神薬理、九州精神神経学会誌
著書
- 2006年 21世紀のリチウム療法(新興医学出版社)
- 2007年 生活習慣とメンタルヘルス(新興医学出版社)
- 2009年 マンガで学ぶうつ病治療記(新興医学出版社)
- 2010年 双極性障害の診断・治療と気分安定薬の作用機序(新興医学出版社)
- 2013年 精神科作業療法研究のイロハ(新興医学出版社)
- 2019年 双極性障害の診かたと治しかた(星和書店)
- 2020年 精神科とは無縁と思っていたあなたが困ったときに精神科を味方につけるための本(星和書店)
- 2020年 精神科薬物療法に再チャレンジ(星和書店)